マンガで社会科 Hack:学びの地図を手に入れよう

目次

社会科って何を学ぶの?

文部科学省の学習指導要領の中で、学校教育は「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」ことが目標とされています。

この目標を達成するために定義された社会科の学びは何だと思いますか?

それは、未来の社会を担う一人一人にとって重要な力を養うことです。

この力を養うため、学習指導要領では、社会科の授業で身につけるべき3つの柱を示しています。

社会科で学ぶ3つの柱

社会の在り方や人間としての生き方について選択・判断する力をつけること

地理や歴史を通じて、社会の空間的・時間的な相互関係を理解し、現代の課題解決に活かす力をつけること

社会問題の課題を解決しようとする態度を養うこと

3つの柱についてもう少し詳しく見てみましょう。

社会の在り方を知るとは?

ただ単純に、考えの伝え方、計算の仕方を勉強しても、社会の在り方を知ることはできません。私たちが生活する地域や国の仕組みを理解することが不可欠です。この理解があってこそ、私たちは今後も快適な生活を続け、さらに良い社会を築いていくことができるのです。社会は、その仕組みが働いている人々の大きな集合体ですが、その大きな視点を育むのが社会科です。

小学校でのアプローチ

小学校3年生では、身近な地域や自分たちの市町村がどんなものかについて触れます。地図を使ったり、目的を絞って地域を探検して調べたりすることも、アプローチの一つです。4年生では、市町村から県へと視点を移し、県単位の地域での地理的環境や産業、人々の生活、伝統や文化を学びます。5年生では国へと視点を移し、日本の地理的環境や、情報化に伴う産業や生活の変化について学習します。6年生では、選挙を含めた政治の考え方や仕組み、偉人や文化遺産、国際社会での日本について学習します。

中学校でのアプローチ

中学校では、地理・歴史・公民において、より深く知識を習得し、問題意識を持ち、解決方法を模索します。

高校でのアプローチ

高校では、地理や歴史の学習を通じて、なぜそのような選択や結果になったのかを探り、さらに、自然災害や持続可能な社会づくりなど、実際の社会課題に対応する力を養います。

社会科を学ぶステップ

社会科は上記を踏まえ、図のように発展して学習していきます。

地理と歴史から学ぶ

地理について

小学校では、地理的な空間について、市→県→国→国際社会へと段階を追って、地域の特色、地域の産業、地域の安全、地域の移り変わりに着目して学習していきます。その中で、調査の仕方(必要な情報が何か、調べたことのまとめ方)、地図帳の見方や使い方、統計資料の使い方、地域相互の関連について学びます。

中学校では、空間の広がりについて、世界の様々な地域(アジア、北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ等の地域や、さらに細かな国々の特色)について、緯度や軽度による位置関係、大陸や海洋との関係、地形や機構等の特色、生活や文化といったことを、多面的、多角的な観点から知識を学習します。

日本についても領土の変遷があることや、人口分布の偏在、自然災害とその対応、資源・エネルギー、通信・交通の発達についての知識を学習します。

技能としては、資料からの調査や考察の仕方、共通点や差異の見つけ方、問題の捉え方を学習します。

高校では、持続可能な社会づくりを目指し地理的な諸課題を考察すること、国際理解や国際協力の在り方や防災などの諸課題への対応を考察することを学習し、また、地図や地理情報システム(Geographic Information System いわゆるGIS)などを用いることで、汎用的で実践的な地理的技能を習得します。

歴史について

小学校では人々の生活が時代によって変化してきていることを学びます。

中学校では、国の歴史の大きな流れを、世界の歴史を背景とともに、各時代の特色を踏まえて学習します。また、歴史に関わる事や伝統と文化の特色などを知り、歴史に見られた課題を、複数の立場や意見を踏まえて公正に選択・判断したりする力、なぜそう考えたのかを説明したり議論したりする力を養います。その際には、時期や年代、推移、比較、相互の関連や現在とのつながりなどに着目して多面的・多角的に考察する技能が求められます。

高校では、近現代の歴史を主体とし、「近代化」、「国際秩序の変化や大衆化」、「グローバル化」において、現代の社会がどのように歴史的な変化の中で形成されてきたのか、自身がこれから向き合う現代的な諸課題とどのように関わっているのか、など、社会の形成者となる自身が課題意識をもって考察、構想します。

地理、歴史を含め、資料から読み取る力、調査の仕方、まとめる力をつける事も社会科の狙いです。

社会問題を解決する態度を養う

社会問題を解決する態度を養う、とは、マクロ(国〜地球規模)からミクロ(町内会単位)までを含めてと考えられますが、学習指導要領で示されているのは、より難しい方(マクロ)です。大は小を兼ねる、ということでしょうか。もう少し詳しく見てみましょう。

小学校では、地域のこと、生活が変遷していくことを学び、より良い社会とはどういうものか、を考えます。また、問題を解決する学習の充実を図ります。

中学校では、広い視野に立ち、グローバル化する国際社会に主体的に生きる、「平和で民主的な国家」及び「社会の形成者」として必要な、資質や能力の基礎を育成することを目指します。「現代の民主政治」や「国民の生活の向上」と、「経済活動」、「社会生活」などを、より一層理解できるようにすることをねらって学習します。その際には、適切な課題について、対立と合意、効率と公正などの現代社会を捉える概念的な枠組みを「視点や方法(考え方)」として用いて考察や構想をします。

高校では、「公共」、「倫理」、「政治・経済」に分けて学習します。

「公共」では、社会的事象等を、「倫理」、「政治」、「法」、「経済」などに関わる多様な視点(概念や理論など)に着目して捉え、よりよい社会の構築や人間としての在り方生き方についての自覚を深めることに向けて、課題解決のための選択・判断に資する概念や理論などと関連付けます。

「倫理」では社会的事象等を、「倫理」、「哲学」、「宗教」などに関わる多様な視点(概念や理論など)に着目して捉え、人間としての在り方生き方についての自覚を深めることに向けて、課題解決のための選択・判断に資する概念や理論などと関連付けます。

「政治・経済」では、社会的事象等を、「政治」、「法」、「経済」などに関わる多様な視点(概念や理論など)に着目して捉え、よりよい社会の構築に向けて,課題解決のための選択・判断に資する概念や理論などと関連付けます。

高校においては、「公共」における「幸福」、「正義」、「公正」など、「倫理」における「真理」、「善」、「美」、「正義」など、「政治・経済」における「対立」、「協調」、「効率」、「公正」など、多様な視点があることに留意して、より良い社会を構築するとはどういうことかを学習します。

マンガを通して社会科を学ぼう

どうでしたか?社会科を学ぶ意義が見えてきましたか?しかし、社会科が社会人にとってもおろそかにできない学びということが理解できても、なかなか学び直しをする気になれない、という方も多いことでしょう。

そんな人にも手軽に手に取ることができる、社会科の一端が学べるマンガを集めてみました。

・キングダム https://mii117.com/kingdom/↗

・終末のワルキューレ

・応天の門

社会科は、ボリュームがあり、多岐に渡る知識が必要ですが、マンガはストーリーやキャラクターを通して学ぶことができ、そこをフックとすることにより、大きな世界を知る道しるべになります。登場人物のセリフやストーリー展開を通じて、歴史による問題解決方法や宗教観・文化の違い、世界情勢を学び、社会について考えを深めるきっかけとすることができます。マンガを活用することで、社会科の学習はより楽しく、身近なものになることでしょう。

紹介した漫画のほかにも学習に役立つマンガはたくさんあります。マンガをきっかけに社会科を学ぶ楽しさ、社会科の重要性に気づいてもらえたら幸いです。ご紹介していないマンガでおすすめのものがありましたら、ぜひ教えてくださいね。

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